2パラメータのクリティカルパワーモデル
クリティカルパワーは、Monod & Scherrerの1965年の筋運動モデルに由来します。最大運動で行った総仕事量を持続時間に対してプロットすると、点は直線に並びます。仕事量 = CP·t + W′。これを変形すると持続時間に対するパワーは双曲線になり、その漸近線がクリティカルパワー、理論上は限りなく維持できる最も高いパワーです。
異なる長さの2本の最大運動から、CP = (P1·t1 − P2·t2) ÷ (t1 − t2)、無酸素仕事容量W′ = (P1 − CP)·t1。CPはワットで報告され、W′はジュールでの固定された仕事量で、通常はキロジュールで示されます。
W′、無酸素のバッテリーが意味するもの
W′(「W-prime」と読みます)は、疲労困憊までにクリティカルパワーを超えて行える有限の仕事量、すなわち無酸素の「バッテリー」で、鍛えられたサイクリストでは通常10〜30 kJです。CPを超える1秒ごとに消耗し、CP以下で充電されます。同じCPでもW′が異なる2人のライダーは、スプリントや連続アタックでまったく異なる結果になります。
これがCPモデルが単一のFTPの数値より豊かな理由です。持続可能な上限(CP)を、それを超える能力(W′)から分離します。CPの120%を数分は維持できても1時間は維持できない理由を説明します。再生可能な率ではなく固定のバッテリーを使うからです。
正しくテストする
このモデルには、明らかに異なる持続時間の2本の真に最大の運動が必要です。短くハードなもの(約3分)と長いもの(約10〜12分)を、完全な回復で分けるか別の日に行います。長さが近すぎると不安定で無意味な推定値になるので、間隔をあけてください。
各運動をできる限り均等にペース配分し、真の疲労困憊まで行います。短い運動を控えめにペース配分するとCPは過大評価されW′が崩壊し、長い運動が失速するとCPは下がります。良い最大限のペース配分こそが、2点に意味のある直線を定めます。
クリティカルパワー 対 FTP
CPとFTPはほぼ同じ境界を表し、通常は数パーセント以内で一致します。違いは、FTPが1回のテストからの単一の数値なのに対し、CPモデルはW′を加え、閾値の位置だけでなくそれを超えてどれだけ長くいられるかもモデル化する点です。インターバルやレースのペース配分の分析には、その追加パラメータが価値を持ちます。
計算例
2本の最大運動、3分(180秒)の300 Wと10分(600秒)の250 W:
| 総仕事量、運動1 | 300 × 180 = 54,000 J |
| 総仕事量、運動2 | 250 × 600 = 150,000 J |
| クリティカルパワー | (54,000 − 150,000) ÷ (180 − 600) ≈ 229 W |
| W′ 無酸素バッテリー | (300 − 229) × 180 ≈ 12.9 kJ |
約229 WのCPが持続可能な上限です。12.9 kJのW′が、それを超える運動を支えます。
よくある質問
クリティカルパワーとFTPの違いは何ですか?
どちらも持続可能な運動と持続不可能な運動の境界を表し、通常は数パーセント以内で一致します。FTPは1回のテストからの単一の数値です。CPは2本の運動から導かれ、無酸素仕事容量W′と対になり、閾値の位置だけでなく閾値を超えてどれだけ長くパワーを維持できるかもモデル化します。
W′(W-prime)とは何ですか?
W′は、疲労困憊までにクリティカルパワーを超えて行える、ジュールで測られる固定の仕事量、すなわち無酸素のバッテリーで、鍛えられたサイクリストでは通常10〜30 kJです。CPを超えると消耗し、それ以下で充電されます。繰り返すアタックで最終的に反応できなくなる理由です。
クリティカルパワーはどうやってテストしますか?
明らかに異なる持続時間、たとえば3分と10〜12分の、均等にペース配分した2本の最大運動を、間に完全な回復を取るか別の日に行います。計算ツールが2つのパワーと時間の組から、CP = (P1·t1 − P2·t2) ÷ (t1 − t2)、W′ = (P1 − CP)·t1を解きます。
なぜ2本の運動は異なる持続時間が必要なのですか?
2パラメータモデルは、仕事量・持続時間のプロット上の2点を通る直線を当てはめます。運動の長さが近すぎると点がほぼ重なり、傾き(CP)と切片(W′)が不安定になります。短いものと長いもので間隔を広げれば、信頼できる推定値が得られます。
ランナーはクリティカルパワーを使えますか?
はい。クリティカルパワーの概念はあらゆる最大運動に適用され、StrydのようなランニングパワーメーターはランニングのCPを報告します。同じ数式が成り立ちますが、ランニングパワーは垂直方向の動きとフォームのコストを含むため、サイクリングパワーとは互換ではありません。
出典
- Monod & Scherrer (1965). “The work capacity of a synergic muscular group.” Ergonomics 8(3):329–338, the critical-power / W′ two-parameter model.
- Jones, Vanhatalo et al. (2010). “Critical power: implications for determination of V̇O₂max and exercise tolerance.” Med Sci Sports Exerc 42(10):1876–1890.
- Allen, Coggan & McGregor, Training and Racing with a Power Meter. 3rd ed. (2019). Definition of Functional Threshold Power and the seven-zone power model.
